からだの不調に対して身の回りの植物を利用して自分の身体や心を癒す方法があります。これは「植物療法」と呼ばれ、昔から人々の生活の知恵として伝わってきました。たとえば風邪をひいたときはしょうが湯を飲んで体の芯から温め、咳が出るときには番茶や緑茶を飲んで喉を潤すなど、これも植物療法の一つです。昔の人々は、医学的根拠やエビデンスを気にせず、生活の経験を通して自分の身を守り、自然治癒力を高めて健康管理に役立ててきました。
健康と病気の間にある揺らぎの状態を「未病」と呼びます。自身のカラダを未病から健康な状態に戻すために、植物の力を借りて日常を心地よく過ごすことで免疫力を高め、健康的な生活を送ることができます。植物の恵みを生活に活かす方法はさまざまです。ハーブティーやアロマセラピー、ハンドマッサージなどがその例です。これらを毎日の気分転換に取り入れることで心が豊かになり、自然治癒力を高めることができます。
この本では、植物の恵みを活かし、心を中心としたアプローチで心身の調和を図る自然療法を紹介していきます。ご自身に合った方法を試し、自然治癒力を高める手助けができれば幸いです。皆さまが心豊かでお健やかな日々を過ごすことを願っています。